16話:ミイラ取りがミイラになりました【捻デレボッチ主義の教室へ・よう実ss】

2022年9月4日

こちらは『ようこそ実力至上主義の教室へ』の二次小説です。連載です。

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16話:ミイラ取りがミイラになりました

「とりあえずこれを見てくれ」

「何この試験問題、あんたが作ったの?」

「これは一昨年の中間の過去問だ、ちなみに去年のもあるが全く同じだ。何ならこの前の小テストもつけてくれた」

そう、図書室でのいさかいのあと猪狩先輩から連絡があったのはこれが理由だった。高円寺から助言と急激なテスト範囲の変更がないとマジで分からんかったぞこれ。

そして何度かやり取りして先輩と交渉した。
試験終わって一週間昼飯をパレットで奢ることになってしまった。絶対アイツついてくるじゃん、普通に5000ポイントぐらいなら払いたかった。交渉失敗だわ。

「この小テスト、この前のと瓜二つじゃない」

「小テストのラスト3問わけ分かんなかっただろ、だから怪しいと思ってな。知り合いの先輩に頼んでもらったんだわ」

あたかも俺が見つけたアピールをすることで櫛田に恩を売れるからな。

「へ〜比企谷、先輩の連絡先なんか持ってたんだ、意外。でもこれがそのまんま中間テストに出るとは限らないよね」

「いや、おそらく今回に関しては間違いないだろう。小テストの過去問が一致しているうえに、全クラステスト範囲の変更が通知されている。これはむしろ過去問の存在に気づけと言っているようなもんだ」

「なるほどね。それで?私はこれを配ればいいわけ」

「いや、ちょっと待ってくれ。全員に渡すのはテスト前日でいい」

もし今すぐ渡したら最後まで目を通さず中途半端に終わること間違いなし、ソースは俺、

まだ一週間ある、あと3日か…、明日試験だから徹夜で文系だけ見とこうとかなっちゃう特に3バカは。

俺に関しては数学なら途中式まで覚えようと意気込むも、最終的に答えの数字だけ覚えてしまい、あり得ない箇所で=0を記入しちゃう。それ二つ下の問題の答えってなる。

「はいはい分かりましたー」

「だが堀北と平田には明日にでも渡してくれ」

「は?今配るのは前日って言ったじゃん」

「本当はそうして前日に全力で覚えてもらいたいんだが、赤点組はもしかしたらがあるだろ。だから勉強会でさり気なく出して教えるよう言ってくれ」

「それなら比企谷が言えばいいじゃん」

「ボッチの俺はあんまり目立ちたくないんだよ、それにお前が言うことでメリットもあるぞ」

「なによ」

「それは『赤点回避のために上級生から過去問を手に入れ、クラスメイトを心配する
わ・た・し♡』だ」

「は!?きもっ、もうやるのやめてくれる」

「んんっ、まあ要はポイントを稼げるだろってことだ。それにお前堀北と仲良くなりたがってただろ、どうして堀北がクラスのアイドル(笑)櫛田を嫌ってんのかわからんけど」

「私が堀北を嫌ってるからだよ」フフフ

そこまで言い切ると清々しいな、

こえーよ、もはや通常モードの笑顔のほうが怖い。

「お、おう。じゃあ過去門よろしくな、また明日」

「え、何帰らそうとしてるの?これから私の愚痴聞いてくれるんだよね、ね♡」

お前のせいで夜ふかし観れなかったじゃねーか。      

 桐谷さーん

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