1~4話:やはり日本社会は腐っている【捻デレボッチ主義の教室へ・よう実ss】

2022年11月1日

こちらは『ようこそ実力至上主義の教室へ』の二次小説です。連載です。

やはり日本社会は腐っている

1話:やはり日本社会は腐っている

なぜ俺は東京高度育成高等学校に行くことになってしまったのか。本当は千葉一の公立の進学校、総武高校に行くつもりだったのに。
中学の知り合いが一人もいないってそうゆう意味ではないのに…

中三の時の担任が言った「比企谷くんには東京高度育成高等学校がふさわしいです!!」を母さんが真に受けちゃったからなあ。

あの目をよくみて見ろよ、社畜だぜ。完全に上からの命令で言ったやつだぜ。

「も〜お兄ちゃん今日から高校生なんでしょ。もうちょっとしゃんとしてよね」

「学年が上がろうと人間の本質は変わらないのが人間だぞ小町」

「は〜まったく
3年間の間に彼女作れるといいねごみいちゃん」

「俺には小町がいればそれで十分だ」

「バカ、ボケナス、八幡//////
  ほら、さっさと学校行け」

このバスめっちゃ混んでるな、斜め前の優先席に男子高校生がどっかり座っちゃうぐらい。いやそれは関係ないな。こいつ、にしても目の前に今にも転びそうなほどにフラフラしてる老婆がいるのによく堂々としてられるな チラッ

「ん、なんだねそこの目の腐ったボーイ」

「いや、何でもないでしゅ」

びっくりしたーいきなり話しかけてんじゃねぇよキョドっちゃったじねえか
何か話しかけられてるし。

「席を譲ってあげようって思わないの?」

「実にクレイジーな質問だね、レディー」

うわぁOLのの説教なんてどこ吹く風って感じだな逆に尊敬するわ。

 

「あの…………私も、お姉さんの言うとおりだと思うな」

今度は同じ制服着た女子高校生が口説いてるよモテモテじゃんアイツ。
うわっ目が合った。この子めっちゃかわいいじゃん中学までの俺なら告白してすぐに振られるまである、いや振られちゃうのかよ。

「ねぇ君もそう思うでしょ」

振られたーー告白して振られるよりキツイんだけどこれ。

「お、俺も譲った方がいいと思うぞ」

「ならば理由を聞こうかな」

「お前さっきから髪型をずっと櫛で整えたり妙に自身のある物言いだったりもしかして完璧な自分でいたいんじゃないか。もしそうだったら席を譲った方が美しい判断だと思うんだがどうだろう」

「はっはっは実に面白い意見だ。いいだろうこの席を譲ってあげよう」

緊張したぁ、人と話すだけで緊張するとはやはり俺はボッチの鑑だな。

「説得してくれてありがとう。ホント助かったよ」

手柔らかっ、モチでできてるんじゃねえのってくらい柔らかい。ずっと手を握られてると惚れそうになっちゃう。

「い、いや大したことじゃねえよ//」

「そういえばボーイの名前を聞いていなかったね」

「比企谷八幡です」

「同級生なのだから敬語じゃなくてもかまわないさ。私の名前は高円寺六助、未来の高円寺コンツェルンを背負って立つ男さ」

さらばだ捻デレボーイと言いながら学校に向かって行った。
勝手な造語作ってんじゃねえよ。センスが小町並だぞ。

   

2話:それでも学校生活は始まってしまう

目的地につくと他の高校生たちの後ろについてこの地に降り立った。
東京都高度育成高等学校。今日から俺が通うことになる学校だ。
桜咲く校門の前で一句

コマチエル やっぱり会いたい トツカエル

トツカエルって誰だよ急に頭に浮かんだけどきっといい人だ(会えません)

少し前を美男美女が言い合いをしながら歩いている。くっ、教室に入る前から仲良くなるとはなんというコミュ力。羨ましくなんかないんだからね。

「はっはっは青春を謳歌できていないようだねえ捻デレボーイ」

「高、……高円寺に言われたくねえよ」

「私のことは六助と呼んでくれたまえ。私は君のことを買っているのさ」

いきなり名前で呼ばせるとか友達かと思っちゃうだろ。おかしい目から汗が…

「それより、さっきの慈善活動ガールのことをどう思ったかね」

なんだ急に意味深なことを言ってきたぞ。てか結局興味は俺じゃないんですね。

「笑顔が板についていたとでも言えばいいのか。誰にでも優しくするタイプの人間だろ」

「それだけではないと思うがね」

「てゆーかなんで俺にそんなに話しかけてくるんだ」

「ただの私の気まぐれだよ」

まあ私の脇役として頑張りたまえと言いながら校舎に入っていった。

このまま入学式まで外にいてもいいと思ったが、そんなことをしたら小町に嫌われてしまう

そう、今日から俺はは中学までの黒歴史は関係ないNEWヒッキーだぜっ!

結局引きこもりなのは変わらねえじゃねえか、3年間小町がいない分余計に外出しないぞ、俺

前向きな(建前)後ろ向き(本音)で教室の戸を引くと、そこに広がるのはリアリアリア。

ゆっくり逆再生し、回れ右。

小町、おにいちゃん頑張ったよ。このまま学校中の自販機をあさり、マッカンを探そうとしたら、

ピクンピクン
ボッチセンサー(アホ毛)が反応する。

俺の高性能ダウジングを舐めんなよ、とあれはバスで見かけた美男美女の片割れじゃないか。

太った少年に話しかけようとして・・・失敗した。
こ、これはN・A・K・A・M・A!

分かる分かるぞその気持ち、話しかけようとするふりで自分をごまかそうとするんだよな。そして結局一歩遅かっただけだと言い訳をし、枕に顔をうずめて足をバタバタさせ、小町に「うるさいっ」と言われるまでがルーティーン、俺の尻にキックで1ポイントだ。

ボッチの気持ちはボッチがよく知る、

「お、おはようございます」

「おはよう、敬語じゃなくてもいいぞ。俺は綾小路清隆だ、よろしく」

「比企谷八幡、よろしく」

俺より話せるじゃないか、ここは会話の主導権を譲ってやらんでもない。

3話:ただより高い物はない

その後、綾小路と少し話しているとこのクラスの担任が入ってきてこの学校とこれからについて話しがあった。
先生は10万pp支給されるって言ってたが残高見たらほんとに10万ppで表示されていたんだが……

「せっかくみんな同じクラスになったんだから自己紹介をするのはどうかな」

うわー、イケメン(笑)が余計なこと言っちゃったよ。ボッチというのは行動が学校の行き帰りしかないから紹介する自分がない。苦し紛れに人間観察なんて言った日にはクラスの空気が凍りついちゃうZO☆

という訳でおれは、一番前の人が順番になった瞬間にステルスヒッキーを駆使して教室を出た。

無事入学式までをつつがなくすごし、昼からはこのまま教室に行ってもボッチにとって辛いのは分かりきっているので周辺をブラブラしていた。

にしてもこの学校きれいだな、いやきれいすぎるのか。まあ4月だったらこんなもんか。
ん!?あの柱の隅にある黒い物体、もしかして監視カメラか、よく見たらところどころにあるな。やべぇなおれ、ついに特技が人間観察から物体観察にジョブチェンジしちゃったよ。

ここにもあそこにもあると童心に帰って歩いていると、

「ねぇ君何してるの」

うわっ、びっくりしたぁ、てゆーか可愛いなあおい。身体からなんかぽわぽわしたもの出てんじゃねえの、そばにいるだけでめぐりっしゅされるわ。いや、なんだよそれ。

「見たところ君一年生だよね、どこのクラスの生徒さんかな」

「学校からもりゃった資料によると一年D組でしゅ」

またやらかしたー(泣)
でもD組って言ったとき一瞬顔が暗くなったのは気のせいか。

「橘、そこで何をしている」

「あ、堀北くん。この子一年D組の生徒さんなんだけど、このへんで写真撮ってたの」
(鈴音と同じクラスか)

「ほう、写真撮影が趣味ということではなさそうだな チラッ
ということは……」

監視カメラ勝手に撮ってたことバレたー

「お前名前は?」

「比企谷八幡です」

「携帯を貸してみろ」

ふっ、自慢じゃないが見られて困るものは一つもないぜ。つーかこの人文字打つの速すぎだろリア充はみんなこうなの?

「このあと教室で配られる学生証で確認できると思うが10万振り込んでおいた。これはお前への投資だと思ってくれ」

「い、いきなり大金もらっても」

「気にするな、それよりお前のクラスに妹がいるが会ったことは言わないでもらいたい」

それだけだと言って二人は去っていた。
彼の背中からは貫禄だけでなく俺と同じシスコンの匂いがした。

うわーヤバそうな人に目えつけられちゃったよ、タダより高いものはないっいうしなあ…

その後コンビニとスーパーで買い物をしてから帰ることにした。それにしても無料のコーナーがどっちもあったな。専業主夫志望の俺としては毎月通うことになるのは自明だ。

なんてくだらないことを考えながらスーパーを出ると前から仮面少女が向かってきた。

4話:綺麗な花には棘がある

「えっと、今朝バスで会った子だよね。改めてお礼を言わせてもらうね、ほんとにありがとう。君のおかげでみんなが助かったと思うの」

“みんなが" ねえ、あの状況で自分の身を切らずに株を上げたのはコイツだけなんだよな。
まあ八幡かわいい子には弱いから何でもしちゃう。

「気にするな俺が勝手にやったことだ」

「それでもだよ。そういえば君って同じクラスだよね、なんで自己紹介に残ってなかったの?」

「いや、俺がしても空気が悪くなるだけだと思ってな」

「そんなことないよ、私は櫛田桔梗、これから3年間よろしくね」

「うす、比企谷八幡だ」

「えへへ、じゃあ私が比企谷くんの最初のともだちだね」ギュッ

べー、やべー!2回目だけど手柔けー
だが仮面を被っているかもしれないことを考えると……

いや今はこの手を味わおう、というか胸でけーー、あ、当たりそう、当たった、離れた、当たった、離れた。さっきからおっぱいがヒットアンドアウェイ、井上尚弥かよ、流石ボッチ泣かせと言われるだけはあるな。

危うく騙されるとこだったぜこいつは可愛いのではなく、あざとかわいいんだ。」

「えへへ、可愛いだなんて照れるなあ。でもあざといは余計だよ」

口に出てたー絶対気持ち悪いやつだと思われた。はぁ死にたい。明日教室行ったらキモ谷だ~って言われるやつ。

「いやいきなり手え握ってきたら警戒するわ、特に俺はこう見えてもボッチだからな、人間観察ならお手のもんだぜ」

(きっも!どう見てもボッチだよ。人間観察とか言って胸ばっか見てんじゃねえのかこの根暗野郎が!!」

「!!!」アトズサリ

(まさか口に出てた!?こうなったら)

急に口が悪くなったと思ったら手を引っぱられたので急いで振り解いた、

「な、何すんだよ」

「チッ、胸触らせて口封じしてやろうと思ったのに」

危なかった、ってかなんだよそれ、今流行の新型痴漢なの!? やだ、隔離されちゃう。

フッ、中学のときエメラルドプリンスと呼ばれていたのがバレたか。

「ちょっと待て櫛田、落ち着け。そんなことをしなくても誰にも話したりしない」

「そんなこと信じられるわけないでしょ」

そこからはもう掴まれては逃げ掴まれては逃げの繰り返し。
数回繰り返していると、

「何、女のコと戯れているんだい?捻デレボーイ」

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漁夫の利なんて空想だ【捻デレボッチ主義の教室へ・よう実ss】