名誉の負傷【スパイファミリーss】
こちらはスパイファミリーの二次小説にです。短編になります。
前編
ぐうううう、アーニャの力が足りなかったか。
ボンドマンになるために母と秘密の特訓を繰り返したのに……
「何こぶしを握ってるの、アーニャちゃん」
「試合に出られない。アーニャの力不足、完敗」
「競技ができないのは私たちが女子だからよ。てゆうか中等部に上がってから体育は男女別でしょ」
「母のボールは気をもなぎ倒す強さ。アーニャにもできると思った」
「まあ、あれは別格だから」
(ロイド様が惚れるのも納得だわって思ってたけど、パンチマシンで機械壊すのはうちの執事たちでも不可能ってわかってからパワーを鍛えるのはあきらめたわ。やっぱり女は美しさよね)
「ベッキーは力じゃなくてうつつしさ磨いてる」
「美しさね、やっと興味持ってくれたのねー。最近うちの系列会社で開発した化粧品の試供品があってね」
最近ベッキーの美への意識がすごい。中等部から化粧が解禁されるからメイクを勉強してた。そのせいでてすとの点が下がって怒られたらしい。
アーニャはベッキーと一緒に補習できて嬉しいけど
「おい、ちんちくりんには化粧は早いし、必要ないんじゃないか」「「そうだそうだ!」」
(こいつがメイクしたらより周りの男共から見られるに決まってる。そうでなくとも最近「フォージャーさんってかわいいよね」とか言い出すやつが出てくる始末だ。俺が先に目をつけたんだ引っ込んどけ)
アーニャにモテ期が!
「なによ、確かにアーニャちゃんは庶民だし社交界に出ることはないかもしれないけど、メイクは淑女のたしなみなのよ」
ベッキーふぉろーになってない。
母はメイクあんまりしないから淑女じゃない!?
「私は手先が器用じゃなくて上手くできないので化粧はしないようにしてるんです」(お仕事で返り血をあびて結局洗うことになるからとは言えない)
「アーニャもドッチボールに出られれば次男をたおせるのに」
「お前じゃ無理だろ、一年のときへなちょこな球を投げてたの覚えてるぞ」
(避けるのは異常にうまかったけど。あの時はケガをしなくてほんとよかった……)
「と、とにかく今日は俺様のプレーをしっかり見ておくんだな」
(できれば応援してくれると嬉しいが)
あ、じなん行っちゃた。
「あら、アーニャちゃんまだ話したかったの?」
「アーニャが応援するとじなん喜ぶか?」
「きっと喜ぶわよ。全力で応援してあげて」
(やっぱりそうゆうことなのね。私の知らないところでつながってたのはいただけないけど私は二人の仲を応援するわ)
どうゆうことだ?アーニャ別にじなんとは何もないけど、ベッキーが言うならしかたないか。もじゃもじゃも「男ってのは女に声をかけられると燃えるもんなんだぜ、特に好きな女にはな。これ言ったの父さんには秘密な」って言ってたし。
後編
~ダミアン視点~
ユーイン、エミール!
くそ、ビルのやつめ年々おっさん化してないか。こちとら普段はインペリアルスカラーに向けて勉強三昧だから運動なんかそこまでしてないのに。ユーインやエミールは運動部に入ってるんだぞ。
いかんいかん、こんな言い訳をしていては父上だけでなく兄上にも失望されてしまう。デズモンド家の名に恥じぬ努力をしなければ。
「や、やるじゃねえかおっさん。部活動5つも掛け持ちしてるんだから今日ぐらいはゆっくりしてもいいんだぜ。わが校の希望の星らしいからな」
「ご忠告ありがとう、総裁の息子ダミアンくん。今は筋肉を鍛えるだけでなく、効率のいいトレーニング法やけが防止のストレッチや休憩方法に関しても研究しているので私の体は万全だ」フンッ
アブねっ、この脳筋バカ。前に強い球を投げるコツを教わったことがあったけど、その時より格段にキレが上がってやがる。
アーニャの助けがなかったら今頃骨折だぞ。
驚いたことに、ワトキンスの動きを読んでやがる。最初は手旗信号かと思ったが、右手なら挙げた場所にボールがきて仲間があてられた。
どうりでよけるのだけはうまかったわけだ。まああいつなりの応援の仕方ってことか。
でもこれどっかでバレるぞ、
「アーニャちゃん何変な応援の仕方してるの?こうやって両手を交互に挙げて名前を呼ぶのよ」「いや、ちがっ」
な、名前を呼んでくれるのか、かわ
「油断してるぞ、くらえっ」
なっ、正面なら受け止められるか。手がひりひりする熱い。ボトッ
「デズモンド君アウト。4組の勝利」
完全に隙をつかれてしまった。くうブラックベルめ、試合にも負けたし名前も呼ばれなかったじゃないか……
~アーニャ視点~
試合負けちゃった。アーニャの応援不足か、ベッキーめ。
あれ、じなん試合終わったら片付けするはずなのに先生に何か言って体育館を出てった。なにかあったか。
「ベッキー!アーニャトイレ行ってくるます」
「あらあら応援し疲れたのね。いってらっしゃい」
多分じなん保健室にいる。一年の時も同じようなボールを受けてた。もしかしたらあの時もケガしてたのかな。
ガラガラ
「おーい、じなんいるか!」
「うお、ちんちくりんか、どうしてここにいるんだ」
(どうしてこの場所が分かったんだ、エミールたちだって手を痛めたことに気づかなかったのに)
やっぱりケガしてた。
「アーニャは人命救助のすぺさりすとだからじなんを助けに来た」
「スペシャリストな、それじゃあ頼みますよ先生」
(確かこいつの父親は精神科医だが医者だったな。もしかしたらいろいろ聞いてるのかもな)
「ここが痛いのか」ギュッ
「痛い痛い痛い痛い、なにすんだちんちくりん」
「すまない、じなん。でも痛い場所分からないと手当てできないから。氷あてて包帯巻いてやる」
(くっそ~、結局かっこ悪いとこ見せちまったな。ほかの何でもない女にはいい顔を見せられてちやほやされるのにこいつの前だとどうしても気が抜けるんだよなあ)
まあ確かにじなんはよく間抜けな顔を見せてるけど、、、
はっ、ここが応援の見せどころか
「じなんいつも頑張ってる。アーニャは応援してるます」テヲタッチ
「ななななな、俺はもう帰る!」
ああ行っちゃった。もじゃもじゃの助言あてにならない。
原作はこちら
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