31話:みんなが静かになるまでに3分24秒かかりました~【捻デレボッチ主義の教室へ・よう実ss】
こちらは『ようこそ実力至上主義の教室へ』の二次小説です。
『やはり俺の青春ラブコメは間違っている。』のクロスオーバーです。
連載となっています。
前話はこちら
30話:それでも比企谷八幡は呼び渋る【捻デレボッチ主義の教室へ・よう実ss】
31話:みんなが静かになるまでに3分24秒かかりました~
「おう綾小路、さっきは堀北と話してたようだが豪華客船は満喫できたか」
「まあぼちぼちだな。お前こそ櫛田と話してたじゃないか」
「櫛田はクラスの人気者だからな。俺みたいなぼちぼっちにも気軽に話しかけてくれるんだよ」
「ぼちぼちにかけてるのか。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね」
「お前このあいだ漫画なんか読んだことないとか言ってなかったか」
そんなこんなで船が無事に無人島に停泊した。
ぺちゃくちゃしゃべりながら船から出てきた俺たち生徒に対し、
「今からDクラスの点呼を行う。名前を呼ばれたものはしっかり返事をするように」
との鋭い言葉をいただいた。たいていはこの後もたついて「みんなが静かになるまでに3分24秒かかりました~」などという発言とセットだが茶柱先生がそんなおちゃめなことを言うはずもなく、淡々と点呼を取っている。
人数確認が終わるとAクラス担任の真嶋先生が話し出した。
「この場所に無事付けたことをうれしく思う。一方で病欠により一名参加できなかった者がいることは残念でならない」
ここで俺に衝撃が走った。
病欠(仮病)という手があったか!!
これはやられた。うちのクラスではないようだが、上位クラスともなると学校の休み方にも工夫があるというわけか。
なぜ俺は中学の時にそれを思いつかなかったんだ。
ああ、小町がお土産をねだってきたからか。
まあしかしそんなものは言い訳だな。サボりマイスターの称号はそいつに献上しよう。
「これより本年度最初の特別試験を行いたいと思う」
???
なんだその初めて聞く単語は。ぼっちマイスターの俺にとって試験というのは決して苦手なものではないが屋外でクラスどころか学年全体合同は嫌な予感しかしない。
話をよく聞くとこの無人島で一週間過ごせと、こりゃあ俺が中2の時3日間だけハマったサバイバル知識が火を噴くぜ。
というか池よ、こんな抜き打ちみたいなマネ卑怯だといったが俺なんて中三の時抜き打ちで文化祭の打ち上げが行われていたんだぞ。もちろん気づいていたがな……
自由か。300ポイントというのがどのくらいなのか判断できんが一週間なら遊んですごせ過ごせるだけの量なんだろう。
しかし騙されちゃあいけない「何でもしていいですよ」と言われたときに限って
「この特別試験終了時には、各クラスに残っているポイント、その全てをクラスポイントに加算したうえで、夏休み明けに反映する」
こうゆうことあるんだよなあ。
ジャ〇ネットの宣伝でよくある「通常価格3万円のところ今ご覧の方に限り9980円!」といった後からこんなお得なことがありますよ。っていうのは大幅な割引に見せかけて実は原価はもっと低いという話。
今回のことに当てはめると『自由』というテーマにもかかわらず残ったポイントはキャリーオーバーというお得の2段重ねをしたにもかかわらず最終的に我慢大会になっちゃうというオチ。
続きの32話はこちら
32話:お前の手柄は俺のもの、俺の手柄も俺のもの【捻デレボッチ主義の教室へ・よう実ss】
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